入学式(平成28年4月8日(金))
ギター・マンドリン部の演奏 吹奏楽の演奏
学校長訓辞1 学校長訓辞2
生徒宣誓 閉式の辞
各部主任の紹介 1学年団の紹介

【平成28年度 三重県立四日市商業高等学校入学式 校長訓辞】

 昨日の雨により、満開であった桜も少しずつ姿をかえつつありますが、本日、本校の入学式にあたりましては、年度初めのご多用中のところ来賓の皆様にはご臨席をいただきまことにありがとうございます。 高いところからではございますが、厚く御礼申し上げます。 また、保護者の皆様におかれましては、お子様の本校へのご入学まことにおめでとうございます。 真新しい制服に身をつつんだお子様の姿を見て、喜びのお気持ちもひとしおのことと推察したします。 お預かりしたお子様を本校あげてしっかりと育てさせていただきます。今後様ざまなお願いをさせていただくこともあろうかと思いますが、どうか本校の教育活動にご理解とご協力をいただきますようよろしくお願いいたします。
  さて、先ほど280名の皆さんに本校への入学を許可いたしました。新入生の皆さん、入学おめでとうございます。 ようこそ泗商へ来ていただきました、心から歓迎いたします。 ちょうど中学校を卒業されて一か月ほど経ちました。 今皆さんどのような気持ちでここに座っているのでしょうか。 不安と期待が入り混じっているであろう皆さんに、入学に当たっていくつかアドバイスをしておきたいと思います。
  まず、「夢」や「希望」、「思い」を持てということです。 今まで比較的受動的に生きてきた人もいるかと思います。 それはそれで構いません。 しかし、皆さんもう15歳です。 公職選挙法も改正され、あと3年以内には選挙権も持つことになるわけですし、いつまでも子どもではありません。 自分で考え、夢や希望を持ち、自分の人生を自分でデザインすることに一歩踏み出してほしい。 このことについては多くの先人や著名人たちが人生訓として語ってきていることからも、間違いのないことだと思います。
  パナソニックの創始者である松下幸之助は「どうしても2階に上がりたいという熱意がはしごを思いつかせ、階段を作り上げる。上がっても上がらなくてもと考えている人の頭からはしごは生まれてこない」。 かのウォルトディズニーは、If you can dream it, you can do it 夢みることができれば、成し遂げることができる と言っています。 そして更に夢を実現する秘訣は4つのCだと言っています。 Curiosity好奇心、Confidence自信、Courage勇気、そしてConstancy継続です。 興味をもったら、自信と勇気をもって、粘り強く実行しろということです。 皆さんも自らのやることや考えることに安易に限界を作らず、今までの自分という殻を打ち破ってより一段昇った自分になってもらいたいと願います。
  もう一つは、苦労をいとわないでほしいということです。 楽をすることが楽しいことではありません。 皆さんは今はそんな安っぽい楽しさを追い求める時ではありません。 苦労の先にこそ真の喜びや感動があるということを知るべきです。 そういう貴重な楽しさを高校では是非体験してもらいたい。 これからの学校生活にはいろんな面がありますが、勉強や学習の分野で、クラブ活動で、友達との人間関係の構築で、いろんな場面で真の楽しさや感動を感じてもらいたいと願っています。 皆さん、桜の花が好きな人も多いと思いますが、桜は春の暖かさと共に開花を迎えるのは皆さんよくご存知だと思います。 では暖冬だと早く咲くかと言うとそうではありません。 むしろ遅くなるのだそうです。桜が開花するにはきちんと冬の厳しい寒さにさらされることが必要なのだそうです。 きちんと厳しさを体験してこそあの素晴らしい姿となるのです。
  そして、桜についてもう一つ素晴らしいと思うのは、桜は一輪でも美しいですが、多くの花が寄り添って花開き、力を合わせて一つの樹木全体、ひいては景色全体を輝かせることができる点です。 皆さんも、人と力を合わせて苦労の末に何かを成し遂げるということを是非体験してください。 人は一人で生きているわけではありません。 学校と言う所も基本的には集団で活動する場所です。 ただし、人と共にいることは楽しいことばかりではないことはみなさんもよく分かっていると思います。 気を遣う場面も多かったり人間関係に悩んだりすることも多いはずです。 それでも、人とよい関係を築いていけるということ、協力できるということは学校でも社会に出てからも重要な資質の一つです。 そのためにこの高校時代にほかの人と協力して、苦労を乗り越えて何かを成し遂げ、1+1が2ではなく、3以上になる経験をしてもらいたいと切に願います。
  皆さんが入学したこの四日市商業高等学校は1896年(明治29年)に創立され、今年は120周年を迎える、県内でも有数の歴史と伝統を持つ学校です。 昨年度までに約23,768人の卒業生を輩出し、多くの先輩方がこの地域のみならず活躍されています。 ありがたいことに泗商は地域の方々からも一定の評価をいただき、大切にしいただいておりますが、そういった良好な関係も皆さん一人ひとりがきちんと挨拶ができたり、社会のルールをきちんと守ってもらったりする小さなことの積み重ねの上に出来上がってくるものです。 今、皆さんはその泗商ファミリーの一員となり、これから最も新しい1ページを本校の歴史に付け加えていくことになります。
  皆さんが本校校訓の「至誠」のもと、教育目標にも掲げられている「誠意」「努力」「信念」の人として、この泗商での頑張り活躍されんことを大いに期待して入学にあたっての訓辞といたします。
 第35代校長 鳥井 誠司
平成28年4月8日